日本国内では2005年から処方がスタートして、すでに10年の市場流通実績がある薄毛治療薬のプロペシア(成分名フィナステリド)。AGA治療については、あまり知らないという方でもプロペシアの名前だけは聞いたことがある方も多いはずです。
また、プロペシアは単に知名度が高いだけの薬ではなく、その効果についても臨床試験できちんと確認されています。実際、これまでに薄毛に悩む多くの男性の症状を改善してきました。
ただし、それだけ効果のある薬ならば、プロペシアを長期間※に渡り飲み続けた場合の副作用についても心配をされる方もいらっしゃるでしょう。
プロペシアは毛乳頭細胞内にある5αリダクターゼという物質を抑制し、AGAの原因となる男性ホルモンを作らせないためのお薬です。
そして、その効果を期待できるのは薬を服用している期間のみです。薬を中断すれば効果はなくなるため、再び薄毛は進行します。
これからプロペシアの服用を考えている方や、今まさに服用中という方には参考になる内容ですので、ぜひご覧になってみてください。
国内での長期服用時のプロペシアの副作用まとめ
それではまず国内で行われた長期臨床試験で、確認された副作用の結果を見ていきましょう。
試験は48週間に渡り行われ、276例の対象中で副作用が確認されたのは11例(4.0%)となりました。それらの中で特に発生件数が多かったのは、以下の2例です。
■国内の長期臨床試験で確認された主な副作用
- リビドー(性欲)減退…3例(1.1%)
- 勃起機能不全…2例(0.7%)
また、発症例は少ないですが。上記以外で確認された副作用は以下の通りになります。
- 蕁麻疹(じんましん)
- 発疹
- 血管浮腫(口唇、舌、咽喉、顔面)
- 睾丸痛
- 精液の質低下(精子濃度減少、精子運動性低下など※1)
- 肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、γ-GDP上昇)
- 乳房圧痛
- 乳房肥大
- 抑うつ症
- めまい
なお、副作用が発生確率は276中11例と少ないですが、決してゼロではありません。そのため、もしプロペシアを服用していて、体に異変を感じたらすみやかに服用を中断し、医師に相談するようにしてください。
海外の長期臨床試験では乳がんの発症例が報告されている
続いて海外で行われた長期臨床試験のデート確認していきましょう。紹介するのは、3047例に対して4~6年間、フィナステリド(プロペシアの有効成分)が行われた試験についてです。
この試験では、1日5mg(通常の処方量に対して5~25倍の量)のフィナステリドが対象者に投与されました。
その結果、フィナステリドを投与した対象の4例に乳がんが発症した報告がありました。フィナステリドを投与していない対象での発症は0です。
フィナステリドと乳がんとの因果関係については完全に解明されていませんし、臨床試験自体がプロペシアの5~25倍もの量を投与しているため、この結果からプロペシアが危険とは言うことはできないと思います。
ただ、プロペシアの臨床データとして公開されている試験結果ですので、念の為にご紹介しました。
個人輸入で購入した海外医薬品の使用は絶対にダメ!
なお、アメリカ版のプロペシアや、海外のフィナステリド内服薬であるフィンペシア、フィンカー、エフペシアは個人輸入代理店を活用すれば、個人輸入をすることができますが、それらを利用することは当サイトでは推奨できません。
というのは、個人輸入を活用した医薬品の購入は、偽物を掴ませられる可能性が少なからずあるからです。もし、フィナステリドの配合量の多い偽薬が届けられば場合、副作用が起こる確率は高まります。
下手をすれば命の危険性もありますし、もし健康被害が起こったとしても自己責任で済まされることも考えられます。
最近ではプロペシアが安く購入できるAGAクリニックも増えているため、そんなリスクを取ってまで海外医薬品を使用することはありません。わずかなお金を節約するためにだけに、あなたの健康を犠牲にしないようにしましょう。
【参考】プロペシアの値段まとめ【人気AGAクリニックで比較】
それにAGAクリニックで薬を処方してもらっていれば、何が起こってもすぐに医師に相談することができるため、安心して治療に望むことができます。
また、性欲減退や勃起不全の副作用がでたときのために、バイアグラ・シアリス・レビトラなどのED治療薬を処方してくれるAGAスキンクリニックのようなクリックもあります。
どうしても性欲関連の副作用が気になるようでしたら、そのようなクリニックで治療を受けるのも賢い選択です。
■本記事のまとめ
プロペシアの国内の長期臨床試験では、リビドー減退、勃起不全、抑うつ症、めまいなどの副作用が報告されています。
また、海外での臨床試験ではプロペシアの有効成分フィナステリドの長期投与試験において、わずかな件数ではありますが、乳がんの発症が報告されています。
ただし、海外の試験では通常の5~25倍もの量が投与されていますので、プロペシアを飲んだからと言って乳がんのリスクが高まると言い切るのは難しいと考えます。