男性型脱毛症(AGA)の症状を抑える酵素阻害薬として、日本国内で最も有名なお薬がプロペシアです。2005年の発売からすでに10年が経過しており、日本だけでなく世界的に見てもAGA治療薬のシェア1位の内服薬です。
また、薄毛治療の先進国でもアメリカでもプロペシアの効果は認められており、FDA(アメリカの厚生労働省のような存在)でも、AGAの治療薬としての認可を受けています。
ただし、日本国内ではプロペシアの相場は1ヶ月あたり7,000-9,000円のため、その値段がネックとなって治療をためらっている方はいるでしょう。ですが、最近になってプロペシアのジェネリックが国内で販売がスタートしましたので、それらを活用すればプロペシアよりも安い値段でフィナステリド錠(プロペシアの有効成分)を手に入れることできます。
ちなみに国内で流通しているプロペシアのジェネリックは、『ファイザー』、『サワイ』、『クラシエ』の3種類があります(2016年9月現在)。
各ジェネリック医薬品の違いは含まれている添加物
基本的にはそれらの薬にはプロペシアの有効成分と同じフィナステリドが含まれているため、薬の効果としてはプロペシアと全く同じ内容を期待できるんですね。
では、何が違うのかと言えば、薬に含まれる添加物です。添加物も含めてプロペシアに似ている薬もあれば、添加物が全く違うものもあります。
そこで、それぞれのジェネリックに含まれている添加物がプロぺシアと似ているのかそうでないのかについて、表にまとめましたので以下で紹介します。
プロペシアとジェネリックの添加物比較
次に記載するのかプロペシアとジェネリックのそれぞれの添加物について、表にまとめたものです。
プロペシア1mg | サワイ1mg | ファイザー1mg | クラシエ1mg | |
---|---|---|---|---|
イメージ画像 | ||||
添加物の一致率 | - | 92.3% |
37.5% |
63.7% |
有効成分 | フィナステリド1mg | フィナステリド1mg | フィナステリド1mg | フィナステリド1mg |
添加物1 | 結晶セルロース | 結晶セルロース | 結晶セルロース | 結晶セルロース |
添加物2 | 乳糖水和物 | - | - | 乳糖水和物 |
添加物3 | 部分アルファー化デンプン | 部分アルファー化デンプン | - | - |
添加物4 | デンプングリコール酸ナトリウム | デンプングリコール酸ナトリウム | - | - |
添加物5 | ジオクチルソジウムスルホクサシネート | ジオクチルソジウムスルホクサシネート | ジオクチルソジウムスルホクサシネート | - |
添加物6 | ステアリン酸マグネシウム | ステアリン酸マグネシウム | ステアリン酸マグネシウム | ステアリン酸マグネシウム |
添加物7 | ヒプロメロース | ヒプロメロース | - | ヒプロメロース |
添加物8 | ヒドロキシプロピルセルロース | ヒドロキシプロピルセルロース | - | ヒドロキシプロピルセルロース |
添加物9 | 酸化チタン | 酸化チタン | 酸化チタン | - |
添加物10 | タルク | タルク | - | タルク |
添加物11 | 三二酸化鉄 | 三二酸化鉄 | - | 三二酸化鉄 |
添加物12 | 黄色三二酸化鉄 | - | 黄色三二酸化鉄 | - |
添加物13 | カルナウバロウ | カルナウバロウ | - | カルナウバロウ |
添加物14 | - | - | 乳頭 | 無水乳糖 |
添加物15 | - | - | クロスカルメロースナトリウム | クロスカルメロースナトリウム |
添加物16 | - | - | 軽質無水ケイ酸 | 軽質無水ケイ酸 |
添加物17 | - | - | マクロゴール6000 | マクロゴール6000 |
添加物18 | - | - | 三二酸化鉄 | 三二酸化鉄 |
添加物19 | - | - | マクロゴール400 | - |
添加物20 | - | - | ヒプロメロース | - |
添加物21 | - | - | ポビドン | - |
添加物22 | - | - | 黒酸化鉄 | - |
添加物23 | - | - | アルファー化デンプン | - |
なお、表中の黄色で塗りつぶした部分が、プロペシアの添加物と一致しているものとなります。
サワイに含まれる添加物はプロペシアとほぼ同じ
前述した表をご覧になってわかるように、サワイ1㎎に含まれる添加物はプロペシアとほぼ同じであり、その一致率は92.3でした(13個の添加物の内で12個が一致)。そのため、成分的にできるだけプロペシアに似た薬が良いという方にはサワイを選ばれることをおすすめします。
私も今回の記事を執筆するにあたり、某AGAクリニックの医師に話を伺いましたが、その先生も「プロぺシアに最も近いジェネリックは、今のところサワイでしょう」とおっしゃっていたので、間違い無いでしょう。
薄毛改善の効果はどのジェネリックも変わりない
ただし、先ほどもお伝えしたように有効成分であるフィナステリドの量はどの薬も一切変わりません。ですので、効果に関して言えばどの薬も同じです。そのため、添加物の一致率まで気にしないということであれば、特にどのジェネリックを選ぶかは気にしなくても良いと私は考えます。
どのジェネリック医薬品を取り扱っているかは、各AGAクリニックで異なりますので、そのクリニックで取り扱っているものを処方してもらえばOKです。今だと、最も早くに発売されたファイザーを取り扱っているクリニックが多いですね。
例えば、全国主要都市に医院がある大手のAGAスキンクリニックでも、取り扱っているジェネリックは『ファイザー』になります。
【参考】AGAスキンクリニックの口コミと評価【発毛実感率が99.4%】
なお、どうしてもジェネリックの『サワイ』を使いたいのであれば、診察を受ける前の無料カウンセリングの段階で、「サワイを処方してもらうことはできますか?」と確認するようにしましょう。そうすれば、後になって処方ができませんでしたというトラブルを避けることができますからね。
■本記事のまとめ
現在、国内で販売されているプロペシアのジェネリックはファイザー、サワイ、クラシエの3種類。それらの中でも使用されている添加物が、最もプロペシアに近いのはサワイです。
ただし、有効成分のフィナステリドの量はいずれの薬も同じですので、どのジェネリックを使用しても効果に違いはありません。どれを使っても得られる効果は同じです。