AGA(男性型脱毛症)の治療薬に使われるプロペシア(有効成分フィナステリド)ですが、頭皮の皮脂の分泌量を抑える働きがあることは意外に知られていません。
適量の皮脂は頭皮や髪を保護するためには重量な物質ですが、その量があまりにも多いと抜け毛の原因にもなります。
では、どうしてプロペシアを飲むことで皮脂の分泌量が抑制されるのでしょうか?
こちらの記事ではプロペシアが皮脂を抑制するメカニズムについて詳しく解説しますので、今後プロペシアの服用を考えている方は、ぜひご覧になってください。
皮脂が抜け毛の原因になる理由
プロペシアが皮脂を抑えるメカニズムを解説する前に、まずはどうして皮脂が原因で抜け毛が起こるのかについて紹介します。
一般的に私たちの皮脂の量は子供の頃(幼児)が少なく、思春期になると増加して、20歳の頃にピークとなります。そして、その後はゆるやかに下降していきます。
しかし、男性の場合には20歳を超えても皮脂の分泌量があまり減らない方が多いんですね。そのため、30・40代の方でも大量の皮脂を分泌している人がたくさんいます。
そして、皮脂の分泌量が多い状態が続くと、脂漏性皮膚炎という皮膚の病気を起こりやすくなります。
この脂漏性皮膚炎の症状がひどくなると、変性した表皮膜が毛包に作用します。その結果、ヘアサイクルをつかさどる毛母細胞に悪影響を与えて、抜け毛を引き起こすわけです。これが皮脂が原因で抜け毛が起こる理由です。
なお、世間一般では皮脂が毛穴をふさぐせいで、髪が生えなくなるというウワサが信じられていますが、毛髪は太くどんどん伸びていきますし、しっかりと洗髪していれば、皮脂が多くても毛穴内に皮脂がずっとたまり続けることはありませんので、ご安心ください。
プロペシアを飲むと皮脂増加が抑えられるメカニズム
プロペシアの働きは毛乳頭細胞内にある還元型酵素「Ⅱ型5αリダクターゼ」の働きを抑制して、AGAの原因となる悪玉の男性ホルモン・ジヒドロテストステロン(DHT)を作らせないことです。
実はこのジヒドロテストステロンは、皮脂腺を活性化させて皮脂の分泌量を増やす働きもあります。
そのため、プロペシアを飲んでジヒドロテストステロンの生成を抑えることができれば、皮脂の分泌量も抑制することができます。これが、プロペシアを飲むことで皮脂の分泌量が減るメカニズムです。
なお、プロペシアでなくても同じ有効成分フィナステリドを含んでいるジェネリック薬品の「ファイザー」や「サワイ」でも同じ効果を期待できます。
また、有効成分は異なりますがザガーロ(有効成分デュタステリド。別名アボルブ)も、ジヒドロテストステロンを抑制する薬ですので、服用していれば皮脂の分泌量は減るでしょう。
適量の皮脂は頭皮を保護するために必要
ただし、知っておいて欲しいのは必ずしも皮脂が髪や頭皮にとって100%悪者では無いということです。適量の皮脂は頭皮を紫外線から守るためには必要ですし、髪に皮脂が付着していれば、ブラッシング時の摩擦から保護する上での有効です。
そのため、1日に何回もシャンプーをして皮脂を根こそぎ取ろうする行為は絶対に禁止です。シャンプーは1日1回、夜寝る前で十分ですので、あまり皮脂に対して神経質になるのはやめてくださいね。皮脂のことを考えるストレスの方が髪にはよくありませんよ。
なお、自分の皮脂の量が適量かどうか知りたいのであれば、頭皮をマイクロスコープでチェックしてもらうのが良いでしょう。
例えば、AGAスキンクリニックでしたら、無料カウンセリングでマイクロスコープでの頭皮チェックをしてくれます。頭皮チェックだけなら無料ですので、ご自身の皮脂の状態が気になっている方は、一度無料カウセリングを受けてみてください。
※ こちら(↑)でAGAスキンクリニックの詳細をご覧いただくことができます。
■本記事のまとめ
男性ホルモン・ジヒドロテストステロンには脂腺を活性化させて、皮脂の分泌量を増やします。
そして、プロペシアはジヒドロテストステロンの生成を抑える薬なので、服用すれば皮脂の分泌量が減るわけです。
ただし、適量の皮脂は頭皮や毛髪の保護に必要なので、皮脂を全て取ろうなんて考えはやめましょう。