AGA(男性型脱毛症)の影響が出る箇所は、前頭部(生え際・M字部分)と頭頂部(てっぺん、つむじ付近)の2つの部分があります。どちらに薄毛の症状が出るかは人それぞれですし、どちらにも症状が出る方ももちろんいらっしゃいます。
では、AGA治療薬のプロペシア(有効成分フィナステリド)はそのどちらに効く薬なのでしょうか?
この点について、プロペシアはAGA治療に全般に効くお薬なので、臨床試験の結果では生え際と頭頂部のどちらの薄毛にも効果があるというデータが出ています。
しかし、そのデータを当サイトでさらに詳しくチェックしてみたとこと、どちらの薄毛の方がより効果が出やすいかを確認することができました。そこで、本記事ではその点についてご紹介します。
自分の薄毛にプロペシアが効くのかどうかを服用前に知りたい方は、ぜひご参考にしてください。
プロペシアは頭頂部の薄毛の方が効きやすい
では早速ですが、どちらの薄毛の方が効果を出やすいかをお伝えすると、「頭頂部の薄毛」です。その根拠については、2006年に行われた臨床試験の結果を見ればわかります。その臨床試験の内容は次のようなものでした。
※試験内容…20歳から50歳までのAGA(男性型脱毛症)の男性に、プロペシア1㎎を1日1回1錠を3年間服用し続けて、頭部の変化を確認する。
そして、試験結果は次のようになりました。まずは、頭頂部の薄毛に悩んでいる人の変化からです。
■頭頂部の薄毛で悩んでいた人の変化(試験対象99人)
- 著明改善…6.1%
- 中程度改善…37.4%
- 軽度改善…34.3%
- 進行なし…20.2%
- 軽度進行…2.1%
■生え際の薄毛で悩んでいた人の変化(試験対象99人)
- 著明改善…2.0%
- 中程度改善…32.3%
- 軽度改善…37.4%
- 進行なし…25.3%
- 軽度進行…3.0%
プロペシアの臨床試験結果の考察
それぞれの結果をチェックしてみると、薬を飲んでいても薄毛が進行した人の割合は頭頂部2.1%、前頭部3.0%となりましたので、プロペシアを飲んでいる人のほとんとどは薄毛が進行しなかったことが分かります。
ただし、中程度以上の改善に注目すると、前頭部43.5%、生え際34.3%と約9%の開きがありましたので、薄毛改善という点に注目すれば頭頂部の薄毛の方が効果が出やすいというデータになりました。
とは言え、生え際の薄毛の人が飲んでも、97%もの人が薄毛の進行が見られなかったので、どちらの薄毛の人にとっては飲むことを検討する価値のある薬です。
その証拠に日本皮膚科学会が発行している男性型脱毛症診療ガイドラインでもプロペシア(フィナステリド)は、外用ミノキシジル(リアップX5プラスに含まれている成分)と並んで推奨度Aの評価を受けています。
なお、プロペシアはAGAクリニックで処方してもらうことが可能ですが、各クリニックによってその値段は異なります。各クリニックでのプロぺシアの料金比較は、次のページで紹介していますので、少しでも費用を抑えて治療を受けたい方はそちらの内容が参考になるはずです。
【参考】プロペシアの値段はどのくらいする?【各AGA病院で比較】
2~3%の人はプロペシアを飲んでも薄毛が進行する
上述した試験について、もう少し掘り下げてみていくと2~3%の方はプロペシアを飲んでも薄毛が進行していることがわかります。では、その方たちはもう髪が禿げてしまうことは諦めるしか無いのでしょうか?
決してそんなことはありません。2017年6月よりAGA治療薬としては、新たにザガーロ(デュタステリド)という名前の薬が処方をされましたので、そちらを使用するという選択肢もあります。
ザガーロはプロペシアよりもAGAの原因を広く抑える薬ですので、プロペシアよりも効果が高いと考えている専門家も多いです。なお、ザガーロとプロペシアのどちらが自分の薄毛に効果があるのか?については、AGAリスク遺伝子検査で調べることができます。
※ AGAリスク遺伝子検査は、現在はヘアメディカルグループのクリニックでしか受けることができません。
■まとめ
臨床試験の結果から、プロペシアは前頭部の薄毛よりも頭頂部の薄毛の方が効きやすいことがわかりました。
ただし、薄毛の進行をストップするという点に着目すれば、どちらもが97%以上の高い効果が出ています。そのため、生え際部分の薄毛に決して効かない薬ではありません。