薄毛治療分野において、最も研究・開発に力を入れている国を挙げるとすれば、それはアメリカ合衆国です。
現在、AGA治療で使われるミノキシジルやフィナステリドの、どちらもがアメリカで開発された薬であることからも、それがよく分かります(下記参照)。
■ミノキシジルとフィナステリドの開発会社
- ミノキシジル…アップジョン社(現在のファイザー製薬)
- フィナステリド…メルク社(現在のMSD)※
それから、アメリカ人は薄毛を気にしないと考えている方が多いようですが、それも大きな間違いです。日本人と同様に、アメリカ人も薄毛を気にする人もいれば、気にしない人もいます。ですから、薄毛治療の研究・開発も盛んに行われているわけです。
そして、『植毛』についても、これまではアメリカ人医師・ノーマン・オレントリックが発明したものとされていました。
しかし、オレントリック医師が植毛を開発するよりも、20年以上早くある日本人医師が植毛術を発明していたことが、最近になり分かったんですね。
自毛植毛の元祖は奥田庄二医師
オレントリック医師が植毛法を発表したのは、1959年のことです。しかし、それより前の1939年に奥田庄二医師が、日本国内で自毛植毛術を発表しています。つまり、奥田医師の方が20年も早くに、自毛植毛術を開発していたわけです。
なお、奥田医師の植毛法は、金属円管型のメスで植毛する髪を採取するため、現在のFUE法に近い手術方式となります。湘南美容外科クリニックで行われている『ARTASロボット』を活用した最先端の植毛も、FUE法の一つです。
しかも、奥田医師は自分の毛以外を植毛しても、それが生着することは無いという点まで、論文内で発表しています。この点からも、今の自毛植毛の基礎は奥田医師によって、開発されていたと言えるでしょう。
ただし、奥田医師が論文を発表したのは、第2次世界大戦直前の混乱期であったため、当時はこの実績が世界的には注目をされることはありませんでした。ですが、現在行われている毛包単位での自毛植毛の基礎部分がこのときに、すでに完成していたと考えると、とても輝かしい実績と言えます。
■本記事のまとめ
自毛植毛を世界で初めて発表したのは、日本人の奥田庄二医師です。ちなみに奥田医師の植毛方法は、現在もAGAクリニックでも広く行われているFUE法の近い手法でした。