海外では全く浸透していないのに、日本国内だけでなぜか浸透している育毛法があります。それが「頭皮を叩けば、髪が発毛する」というものです。
20・30代の若い世代ではこの育毛法をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、40・50代の方の多くは、頭皮を叩く育毛法を実践した方も多いのではないでしょうか?
今でも銭湯や温泉へ行くと、鏡を見ながらブラシで頭をとんとんと叩いている、年配男性を見かけることがありますので、現在も実践している方がいる育毛方法です。
ですが、残念ながら頭皮を叩く育毛方法に、発毛効果を期待することはできません!
そんなことをしたら、頭皮を傷つける原因になるため、炎症や脱毛症の原因になります。ですので、もし頭を叩く育毛法を実践しているのであれば、今日からすぐにやめるようにしましょう。
なお、この育毛法についてAGAクリニック先生に真偽を確認したこともありますが、医師の方も「医学的に言えば根拠のない方法なので、即刻やめた方が良いです」と強くおっしゃっていました。
では、日本国内でどうしてそのようなとんでも育毛法が広まったのでしょうか?
育毛剤・薬用紫電改が頭が叩く育毛法を広めたきっかけ?
そのような育毛法が広まったきっかけは諸説ありますが、有力視されているのが、1980年代にテレビで放送されていたカネボウの育毛剤・薬用紫電改のCMだと言われています。
CM内では髪を気にしている男性が、紫電改を頭皮に付けた後に頭をブラシでトントン叩きながら、「叩けば出るってのは信じたいよなぁ」というフレーズを口にしています。
※ 上記画像はCMのキャプチャですが、男性がソファに座りながら、これでもかと頭を叩いています。
このCMのせいで、頭を叩けば髪は発毛するというイメージを持った人が増えたと言われているんですね。
そして、薬用紫電改では、頭を叩いた回数がカウント表示されるブラシもセットに販売されていました。その特典ブラシも叩く育毛法を始める人が増えた原因と言えるでしょう。
なお、現在は薬用紫電改は『薬用紫電改Z』とリニューアルされて発売されていますが、もうカウント機能付きブラシは特典として配布されていません。この点からも、叩く育毛法が効果が無いことがお分かり頂けるはずです。
叩くのではなく、頭皮をマッサージをしよう
頭皮を叩く育毛法の目的は、いまとなっては不明ですが、おそらく血行を促進させるためだと推測できます。たしかに、血行促進することは、発毛にとっても重要なことですからね※。
※ 発毛成分ミノキシジルも結局は頭皮の毛細血管の血流をよくすることで、発毛をしやすい環境をつくる薬ですので、それだけ血行促進は髪にとっては重要なことと言えます。
ミノキシジル(リアップX5)は抜け毛予防に効果あり?
自宅のケアで血行を促進させたいのであれば、頭皮を叩くのではなく指の腹を使って、丁寧にマッサージをすることをおすすめします。
それであれば、頭皮を傷つけることなく、血流をよくすることが期待できますからね。
また、頭皮にも百会(ひゃくえ)、風池(ふうち)、天柱(てんちゅう)などの育毛・発毛・抜け毛予防におすすめのツボがありますので、マッサージをする際にはそれらの部分も同時に刺激してあげるようにしましょう。
それらのツボの位置と頭皮マッサージの方法については、次の記事で解説していますので、そちらの内容もご参考にしてください。
頭皮の血行促進のツボの場所と自宅マッサージの方法
薄毛・AGA治療の研究はここ最近で目覚ましい進歩を遂げています。その甲斐もあって、昔は常識だった育毛方法が、実は効果なかったなんて言う今回のようなケースも分かったきたんですね。
ですので、今回のケースのような根拠があやふやな、昔ながらの育毛・発毛法を実践している方は、くれぐれも注意しましょう。
なお、AGAクリニックへ行けば、医学的に薄毛の治療もできますので、より短期間で効果を出したいのであれば、病院での治療を選択した方が良いです。
薄毛に治療におすすめなAGAクリニックと、クリニック選びで重要なポイントは次の記事で解説していますので、そちらの内容もぜひチェックしてみてください。
【2015年版】薄毛治療におすすめのAGA病院ランキング
■本記事のまとめ
頭をブラシで叩く育毛法は、頭皮を傷つけて炎症を起こす原因にもなりますので、実践している方はすぐに中止するようにしてください。
頭皮の血行を高めたいのであれば、ブラシで叩くよりも、もみ込むようにマッサージをしてあげる方がおすすめです。