「マイナスイオンにはリラックス効果があるから、体に良いし美容のためには大切なんだよ!」。そんな主張をしている人は、あなたの周りにもいませんか?
日本国内では1990年~2000年頃にかけて、マイナスイオンブームが巻き起こりました。そのブームの影響で、マイナスイオンを浴びるために森林浴をしたり、流れ落ちる滝を見に行く方も増えましたからね。
また、その流行は家電製品業界にやってきて、マイナスイオン発生機能付きの加湿器や掃除機が発売されています。そして、ヘアケアアイテムのドライヤーでもマイナスイオン付きの製品が登場しました。
例えば、大手家電メーカーの4社は次のようなマイナスイオンドライヤーです。
- パナソニック…ナノケア
- 東芝…ウルオス
- シャープ…プラズマクラスタードライヤー
- 日立…イオンケア
たしかに、そのようなヘアケア効果があるなら、髪を美しく保ちたい女性は使いたいと思うはずです。また、髪のパサつきは抜け毛・切れ毛のや、薄毛が気になる男性にもメリットはあります。
では、マイナスイオンドライヤーにそのような効果はあるのでしょうか?
イオン機能付きドライヤーの広告内容に東京都が改善要請を出した!
この点について、各社のイオンドライヤー広告の内容について少し問題があるのでは?という声も上がっています。
例えば、東京都の生活文化局は2012年に、各メーカーに対して広告に改善要請を出しました(下記画像)。
なお、東京都がそのような改善要請を出した理由は、以下に示すように、イオンドライヤーの効果を評価するための試験が、あまりにも現実離れしていたからです。
調査の結果、消費者の一般的な使用方法とは乖離した試験条件等による実証試験に基づいて効能効果を表示していたことが判明したため、本日、4社に対し、より適切な実証試験を行うよう改善を要請しました。
引用元:東京都・報道発表資料
つまり、「広告でイオン機能の効果をうたってるけど、その効果を確認する実証試験の条件があまりにも現実離れしてるんじゃないの?」というわけです。
実証試験の具体的な内容ですが、ドライヤーを発売しているメーカー3社はその使用条件を『冷風モードで20~30分』としていました。
ドライヤーで髪を乾かす場合の時間は、普通は5分程度です。20~30分というのは、いくらなんでも現実離れしていますよね?
そんなに長時間使うことなんて無いのに、「そんな条件での効果を広告で伝えるのはおかしいでしょ?」と改善要請を出したわけです。
ただ、東京都が出した改善要請はあくまでも試験時間の話です。マイナスイオン付きドライヤーの保湿・うるおい効果が無いと言ってるわけではありあません。その点は誤解の無いようにしてください。
しかし、検証実験が現実離れしている環境下で行われていることを考えると、イオンドライヤー保湿・うるおい効果にそこまで過剰な期待をするのは難しいというのが当サイトとしての意見です。
それに、髪を乾かすときに大切なのは、商品選びよりも使い方です。
次の記事で紹介したような正しいドライヤー使用法を参考にして頂ければ、1万円以上する高額なイオン付きドライヤーを使わなくても、髪や頭皮に傷つけないよう乾燥させることは十分に可能です。
頭皮ケアのための正しいドライヤーの方法
また、使用するドライヤーも温度調整機能が付いていれば、高額な製品を買う必要はありません。
上述した記事中で紹介しているTESCOM『TD121-K』なら、アマゾンを利用をすれば千円台購入できますからね。
スイッチでの温度調整機能に加えて、エアダイヤルを回すことでの温度調整もできます。コスパが抜群に良いので、リーズナブルなドライヤーを探している方におすすめです。
髪のために大切なのはどのようにドライヤーを使うかです。わざわざ高額なイオン機能付きドライヤーを使うメリットは、今の時点では少ないように感じます。
■本記事のまとめ
イオン付きドライヤーの中には、現実離れした環境で評価が行われた製品もあるため、過度な効果を期待するのはやめた方が良いでしょう。
ドライヤーを使ったヘアケアで大切なのは、その使い方です。頭皮や髪を傷つけない正しい使用方法でケアをするようにしましょう。