最近は人間関係やハードワークが原因で心を病む人が急増しており、心療内科やメンタルヘルスクリニックへ通院する人も年々増えています。
その大きな原因となっているのが『ストレス』です。
ストレスの厄介なところは目に見えないところ。そのため他人はおろか自分自身がストレスに蝕まられるていることに気付かず、気づいたら『うつ病』を患い、会社を休職・退職することになったなんて可能性も決してゼロではありません。
しかしストレスが目に見える形で測定できて、定量化されたら素晴らしいとは思いませんか?
そんな技術を滋賀大大学院教育学研究科の研究チームが開発したのです。しかも各自の『毛髪』から簡単にストレスチェックができるとのこと。そう、あなたの髪でストレスチェックができるのです。
もしそれが本当ならストレスが原因の病気の予防にもつながるでしょうから、素晴らしい技術ですよね。
そこで本記事では滋賀大学の研究チームが開発した、髪を使ってストレスの解析・測定をできる技術について紹介します。
髪のストレスホルモンでストレス度を測定する
髪を使ったストレス解析・測定の技術を開発したのは、滋賀大学教育学部の大平雅子准教授の研究チームでした。
私たち人間はストレスを感じると、体内からストレスホルモンが分泌されます。そして髪にはストレスホルモンを溜め込む性質があるんですね。
こちらの研究チームでは、髪からストレスホルモンを抽出する独自薬品の開発に成功しました。
つまり抽出されたストレスホルモンの濃度を測定すれば、各自が感じているストレスの度合いがわかるとのこと。
しかも髪は1ヶ月に約1センチ伸びるので、髪のどの部分を調べるかによってストレスを感じた時期・強さなどがわかり、半年前までさかのぼって測定できるとのことでした。
「でもストレスを調べるために髪の毛をたくさん抜かれたら、そっちの方がストレスになりそうなんだけど?」
たしかに髪に悩みを抱えている薄毛の方にとっては、大量の髪を抜かれるのは絶対に嫌ですよね。
ですが本技術で測定するのに必要な髪はわずか数本程度。健康な人の1日に抜ける髪の本数は数十本~100本程度。それに比べれば、全然大した本数ではありませんので、薄毛の方も気にならないレベルですよ。
ストレス測定技術でベンチャー企業『株式会社イヴケア』を立ち上げ
このニュースはここで終わりではありません。なんとその技術を活用したサービスを広げるために、研究チームの関係者がベンチャー企業を立ち上げたのです。
企業名は『株式会社イヴケア』。その会社の代表を務めるのは研究チームのメンバーである五十棲 計さん(読み方:いぞずみけい。滋賀大学大学院教育学研究科修士課程1年)です。
※左から2番目が五十棲 計さん、左から4番目が大平雅子准教授
【参照】滋賀大学発ベンチャー認定制度第1号として株式会社イヴケアを設立 !
五十棲さんは今回の技術で『滋賀大学発ベンチャー認定制度』の第一号として認定され、平成31年1月11日に株式会社イブケアを設立しました。
滋賀県庁も記者会見を行い、NHKのニュースや日経新聞のウェブ版など取り上げられたこともあって、地元を中心にかなり大きな話題になっています。今後のサービス展開が楽しみですね。
【まとめ】アメリカでは髪の毛から住んでいる場所までわかる
今回は滋賀大学の研究チームが開発した、髪からストレスを測定する技術について紹介しました。
またアメリカでも髪から個人情報を解析する研究・開発が行われており、「髪の毛1本から住んでいる場所を特定する方法」も発表されました。
これはユタ大学で行われている研究されている技術で、人間の髪には過去に食べたもの・飲んだものの情報が記録されており(水素と酸素のアイソトープ比率)、そのデータを各地の水質とを比較すれば、その人がいつどの地域に住んでいたのかを解析できるというものです。
もし実現できれば事件現場に残された犯人の髪から、その人が最近までどこで暮らしていたのかがわかるので、捜査の手助けになることは間違いないでしょう。また食中毒の発生源の解明にも活用できると言われています。
その内、髪の毛から住んでいる場所だけでなく、その人の顔・性格・年収なんて情報を抽出できる時代がくるかもしれませんね。
ちなみにAGA・薄毛になりやすいかどうかも、『AGAドック』という検査キットを使えば自宅で検査することができます。
検査の方法・様子はこちら(↓)で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。