AGA治療では大抵のクリニックでは、フィナステリドが配合された薬を使用します。例えば、MSD社のプロペシアや、そのジェネリック薬であるファイザーなどです。
また、クリニックによってはそれらの市販薬を使わずに、独自配合した薬を使用するところもありますが、ほぼ間違いなくフィナステリドが配合されています。
フィナステリドはそのくらいAGA治療の業界では、信頼度が高く実績のあるお薬なんですね。実際、臨床試験のデータを見ても、3年間毎日飲み続けた人の97%以上が薄毛が進行していません。また副作用の発現率1.6%と非常に低く、患者さんにとっては利用しやすいお薬です※。
プロペシアの副作用の症状として、最も有名なのが性欲の減退です。ただし、それが起こる確率は1パーセント強と決して高くはありません。
また、症状が出ても薬を中断すれば、その症状は治まると言われていますので、安全性が高いお薬と言えます。
ただし、フィナステリド錠を服用する前には必ず知っておいて欲しいことがあります。それは、薬を飲んでから1ヶ月間は献血ができないことです。
日本赤十字社の公式サイト内にも、献血をご遠慮いただく方として、次のように掲載がされています。
以下の育毛医薬品(錠剤)を服用されている方は、一定期間献血をご遠慮ください
AVODART(アボダート)[製造:Glaxo Smith Kline社]……6カ月間
PROPECIA(プロペシア)[製造:Merck社]……1カ月間
PROSCAR(プロスカー)[製造:Merck社]……1カ月間【関連】献血の基準・日本赤十字社
アボダードはデュタステリドを有効成分とするお薬で、日本国内では2017年6月にザガーロという名称で、薄毛治療薬と処方がスタートしています。プロスカーは海外で発売しているフィナステリド錠です。
また、上記の他にもフィンペシア、エフペシア、フィライド、ハリフィンなどの海外のフィナステリド錠を個人輸入して、使用している場合にももちろん献血はできません。
献血ができない理由は妊娠中の女性への影響が懸念されるから
では、どうしてフィナステリドを摂取している方が献血をできないかについてですが、それは妊娠中の女性の影響が懸念されているからです。
プロペシアやファイザーなどのフィナステリド薬は女性へ使用が一切禁止されています。その理由は、もし輸血された女性が妊娠しており、その胎児が男の子だった場合、男性器が正常に発育しないおそれがあるからです。
薬を服用している方は、その成分は少なからず血中に残っていますからね。ちなみに、女性はフィナステリド錠を飲むことはもちろん、触ることも厳禁とされています(経皮吸収する可能性があるため)。
ですので、定期的に献血をしている方はプロペシアを飲むことができません。このことについて、AGAクリニックの医師の中には患者さんに説明しない方もいます。しかし、絶対に献血をしてはいけませんので、くれぐれも注意しましょう。
なお、一度プロペシアを飲むと一生献血ができなくなるわけではありません。1ヶ月間、断薬をすれば再び献血はできるようになるので、その点はご安心ください。
■まとめ
プロペシアやファイザーなどのフィナステリド錠剤を服用している方は、献血をすることができません。
もし、献血をすることが習慣になっている方は、そのことを理解した上で、薬を服用するかどうかを検討しましょう。