薄毛治療法の1つである自毛植毛には、さまざまな方法があることを当サイトではこれまでに、お伝えしてきました。それの手法の中には、毛を1本ずつ(あるいは1株ずつ)植えるのではなく、毛を皮膚ごと移植してしまう手術もあります。
例えば、以下の記事で紹介した『フラップ法』なども、毛の生えている側頭部の皮膚ごとを薄毛部分に移植してしまう手術方式です。
自毛植毛フラップ法の特徴@メリットとデメリット
このフラップ法の特徴は、短時間の手術で薄毛部分を一度にカバーできるという点にあります。1本ずつ植えていく方法ではなく、皮膚ごと移植してしまうため、手術も短時間で済んでしまうという訳です。
そして、短時間で対策が可能な手術は何もフラップ法だけではありません。実は『スカルプリダクション』という手法も、短時間での手術が可能が方法です。
そこで、以下ではスカルプリダクションの方法の特徴やメリット・デメリット解説をします。薄毛改善のために自毛植毛手術を検討している方は、ご参考にしてください。
スカルプリダクションとは
スカルプリダクションとは、薄毛になった部分の頭皮を切り取って、その周辺部分を縫い合わせることで薄毛を改善する手法です。
毛を植える訳ではありませんので、厳密に言うと植毛とはでは無いかもしれませんが、自分の毛で薄毛をカバーするということから、今回は自毛植毛の1つの方法として紹介しました。
薄毛部分を皮膚から切り取ってしまう訳ですから、この手術が成功した場合には短時間で見た目の薄毛は改善することはできます。それに手術に必要な時間も非常に短いです。しかも、手術を終えた瞬間からもう症状が改善している訳ですからね。
そのように、短時間で手術が終了して、すぐに見た目が変化することから、スカルプリダクションが開発された当時(1980年頃)は非常に注目を集めました。
しかし、この方法は大きなデメリットもある手法です。続いて、その内容について紹介します。
副作用で周囲の髪が抜ける人が続出
スカルプリダクション手術をした人の中には、頭皮を切り取った部分の周囲に抜け毛がでる人があらわれました。
この抜け毛部分のことを『ストレッチバック』と呼んだのですが、症状がひどい人では、切り取った部分と同じだけの大きさのストレッチバックが出来たんですね。
そんなことが起こってしまっては、手術をした意味がありませんよね。また、頭皮を縫い合わせる際に、皮膚に強い負荷がかかるため、抜け毛進行する人もいました。
おそらく頭皮を縫い合わせる際に、皮を引っ張るため毛細血管の血行が悪くなり、毛に栄養や酸素が届かくなったのでしょう。
以上のように手術をしたことが原因での抜け毛のリスクが高い手術と言えます。ですので、この方式での手術は当サイトではおすすめすることができません。
なお、今でしたらドナーの採取にロボットを活用することで、短時間で手術が可能な自毛植毛法もあります。例えば、湘南美容外科クリニックのARTAS植毛がそれに該当する方式です。
そのような治療方法も登場していますので、現在では危険性の高いスカルプリダクションを選ぶ理由は特にありません。病院から勧められたとしても、十分に検討するようにしてくださいね。
■本記事のまとめ
スカルプリダクションは髪が薄い部分の頭皮を切り取り、周囲を縫い合わせる薄毛対策方法です。なお、ストレッチバックのような抜け毛を誘発する副作用があるため、当サイトとしてはこの手法での改善はおすすめしません。