2016年現在、日本国内でAGA治療薬(5α還元型酵素阻害薬)として、国から認可を受けている薬はプロペシア(有効成分フィナステリド)とザガーロカプセル(有効成分デュタステリド)の2種類だけです。
中でもプロペシアは、日本国内では2005年から処方がされており、すでに10年以上も薄毛治療薬として患者さんに利用され続けています。また、AGAクリニックに勤務する医師に確認したところ、今でも薄毛治療薬としてザガーロよりもプロペシアを選択される方の方が多いそうです。ちなみに、プロペシアは世界シェアも1位のAGA薬です。
やはり、処方価格がプロペシアの方が安いことと※、10年以上に渡り使用され続けているため、安心感があるというのは大きな理由でしょう。
プロペシア、ザガーロの処方はいずれも自由診療のため、クリニックによって値段は異なります。
ただし、ザガーロの方が安く販売しているというAGAクリニックは、私が知る限りありません。たいていのAGAクリニックでは、ザガーロの値段がプロペシアと比べて3,000円ほど高いです。
【参考】ザガーロが発売開始!各AGAクリニックの価格はいくら?
プロペシアはいつ飲んでも大丈夫
プロペシアの飲むタイミングについてですが、基本的にはいつ飲んでも効果に違いはありません。インタビューフォーム※や使用上の注意を確認しても、いつ飲めば効果が高まるという記述はありません。
※ 日本病院薬剤師会が要領を策定して、作成と配布を製薬企業に依頼している資料のこと
また、プロペシアやその有効成分フィナステリドに関する論文もチェックしてみましたが、飲むタイミングと効果との関連性がわかるものは見つけられませんでした。
そのため、タイミングについては特に気にしないで、あなたが忘れずに飲めるタイミングで内服すれば良いです。
それよりも大切なことは、毎日継続して飲み続けることです。プロペシアは半減期(薬の成分の血中濃度が最高値の半分になる時間)が約4時間~4時間半と非常に短いため、毎日飲み続けなければ効果を維持しづらいお薬になります。
ですので、毎日の生活の中で自分が忘れずに飲むことができるタイミングをみつけて、そこで飲むようにすれば良いでしょう。私の周りでは、夕食後のタイミングで飲む方が多いです。
日中は仕事が忙しくて、ついついプロペシアを飲むのを忘れてしまいがちですが、仕事が終わって家に帰って落ち着いて夕食を食べてからであれば、忘れることも少ないというメリットがありますよね。
また、髪に発育に重要だと言われている体内の成長ホルモンは、夜寝ている間にさかんに分泌されるため、夕食後(就寝前)に飲むというのは、髪の成長面から見ても理にかなっています。
なお、これはプロペシアに限ったお話ではなく、そのジェネリックである『ファイザー』や『サワイ』にも当てはまることです。もし、それらのジェネリックを使用している方も、毎日同じタイミングで飲めるのであれば、朝・昼・晩のいずれに服用してください。
空腹時は服用を避けるべき
ただし、胃腸が弱い方の場合は、空腹時に飲むと胃にムカムカ感じる場合もあるかもしれません。その場合には、食前や食間ではなく食後に飲むようにしましょう。
また、お薬の中にはバイアグラのように食後に飲むと効果を出にくいものもありますが、プロペシアの場合には食後に飲んでも効果に違いは無いと言われていますので、その点は特に気にしなくても良いです。
副作用を感じた場合にはすぐに服用を中断すること
最後に1つ重要なことをお伝えしておきます。それは、もしプロペシアの服用中に体に異変を感じたら、すぐに服用を中止することです。
プロペシアは新薬のザガーロと比べると、副作用が発生する割合が少ない薬ですが、それでも可能性はゼロではありません。ですので、何か異変を感じたらすぐに薬の利用はやめてくださいね。
なお、プロペシアの副作用には性欲の減退、勃起不全、じんましん、発疹、めまいなどがあります。次のページでさらに詳しく解説していますので、副作用が不安な方はそちらの内容をご覧になってみてください。
【参考】プロペシアの安全性は大丈夫?長期服用した場合の副作用
■本記事のまとめ
プロペシアは1日のどのタイミングで飲みましょうということは指定されていないお薬です。
大切なのは毎日飲み続けることを習慣化することなので、あなたが飲みやすいタイミングで服用してください。
個人的には飲むのが忘れにくい夕食後の服用をおすすめします。