「プロ野球選手は、試合中にずっと帽子やヘルメットを被っていて頭が蒸れているから禿げやすい」。そんな噂を聞いたことはありませんか?
これは昔から言われ続けていることで、私も子供の頃にそんな話を父親から聞いた記憶があります。ですが、この話はあくまでもウワサや都市伝説の類とみなされ、そのことについて実験などをされることはありませんでした(当サイトで調査した限り)。
ですが、最近になって頭皮・毛髪、医用工学のスペシャリストが集まった発足した「帽子内環境研究会」で帽子を被ることと薄毛との因果関係について実験が行われ、その内容が2016年5月30日に開催されたセミナーで公開されました。本記事ではその内容についてご紹介します。
【参考】帽子内環境研究会
工場での勤務や野外での仕事が多く、日常的に帽子やヘルメットを常に被っていて、抜け毛が最近増えているという方には知っておいてほしい内容ですので、心あたりのある方はご覧になってみてください。
帽子内は温度も湿度が上昇して細菌が増加する
それでは帽子内環境研究会で行われた実験内容と、その結果についてご紹介します。
試験対象…成人男性51人
試験方法…ヘルメット被った状態で、自転車トレーニングマシンで3時間の有酸素運動を行い、運動前・運動後・運動後の洗髪後の頭皮の血流と汚れ具合をチェックする。
運動中はヘルメット内の温度・湿度を常に計測する
特に細菌についてはアクネ菌、肺炎桿菌(はいえんかんきん)などの13種類もの菌が確認されたんですね。頭皮の細菌は放置すると、炎症による頭皮環境が悪化して、抜け毛の増加につながることが考えられます。
そのため、帽子やヘルメットをかぶり続けることは、髪にとっては悪影響を与える可能性は高いです。
また、試験中の周囲環境は温度20度だったにも関わらず、運動中のヘルメット内の温度は30度にもなっていました。そのような劣悪な環境が細菌の増加にもつながったのでしょう。
ただし、頭皮に発生した細菌については、運動後に洗髪をすれば減少することが確認できています。ですので、日常的に帽子やヘルメットをかぶる人は毎日しっかりとシャンプーで頭皮を洗うことをおすすめします。
夏場以外は頭を洗うのなんて、2・3日で一度で十分と考える方もいるかもしれませんが、頭皮の細菌を減らして清潔に保つためには、毎日しっかりと洗ってあげるべきです。特にお仕事でヘルメットや帽子をかぶる方は特に気をつけましょう。
ですが、帽子やヘルメットは必ずしも頭皮にとって悪者というわけではありません。外出時に紫外線から頭皮を守るためには、有効な手段ですので、被った後はしっかりと頭皮を洗うようにしてください。
なお、適切なシャンプー回数やタイミングについては、次の記事でも解説しています。
■まとめ
帽子やヘルメットを被った状態で運動(仕事)をすると、頭皮の汚れ・細菌が増加して抜け毛につながる可能性があります。
ただし、洗髪すれば細菌の量は大幅に減少しますので、家に帰ったらしっかりと頭を洗うようにしましょう。